長崎での暮らし 四
シイエはふと田舎の神父様の話を思い出す。そうだ!教会だ!教会へ行けば姉ちゃん達に会えるかもしれない…
シイエは番頭さんに話を切り出した。
「ね、番頭さん田舎の神父様が大浦ってとこに綺麗な教会があるって言いよったとけど…どこか知らんですか?」
「大浦天主堂か?すぐそこたい、行きたかとか?」
「はい…見たかとです」
「少し時間の過ぎるばってん行ってみるか」
3人は大浦天主堂へ向けて歩を進めた。
大浦天主堂の前に立ったシイエ達はしばらく動く事ができなかった… 神父様のゆうとおり…それはそれは美しい教会がそこにはあったのだ。中は静かでステンドグラスがキラキラと輝いている。
それはまさに身も心も洗われる神秘的な空間だ。二人は祭壇にひざまづき祈りを捧げた。
「これからの仕事がうまくいきますように…」
二人の姿を見て番頭さんが隣にひざまづく。慣れた様子でシイエ達と同じように祈る姿に二人は驚いた。
二人の姿を見て番頭さんが隣にひざまづく。慣れた様子でシイエ達と同じように祈る姿に二人は驚いた。
「番頭さんもカトリックと?教会いきよると?」
「いいやあ…教会はいっとき行っとらんね…前は行きよったばってん」
「なんでね?なんか嬉しか!今度から3人で行こう」
番頭さんは先に外へ出てじっと教会を見上げていた。